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前回ラストを反省

  • 執筆者の写真: pskey
    pskey
  • 2018年12月23日
  • 読了時間: 3分

許して下さい、なんでも(


慰霊の森(全日空機雫石衝突事故で検索してもいいよ☆)


霊の居る場所へ『遊び』に行く時に、気を付けなければならない事が一つ


『 車 』


車は、満席にして行くこと

何故なら、空席があると霊が乗り込んで憑いて来てしまうから…


そう、言われている


私達5人は5人乗りの車に、しかも隙間は荷物でぎゅうぎゅうに詰めてやった


『 肝試し 』


をね


真夜中、田舎道を走らせ、件の場所へ向かう


麓の湖は霧が立ち込め、それが更に不気味さを増す

眺めていると、吸い込まれそうな気になる


森に立ち入り、奥へと進む

肝試しのコースは入口から慰霊碑まで歩いて行き、周囲を散策してから帰る


森の中には今もなお、亡くなったことに気付かないでこの世に留まり続ける魂まで溢れている…なんていう人も居る


生憎とその場に霊感のある人が居らず、証言はしてくれないけどね


まぁそもそも霊感のある人は、遊びでこういう場所に遊びで近寄らない


いずれ霊感は無くても雰囲気に圧倒されて写真を撮る気なんか一気に失せる


歩く、進む、奥へ、奥へと


そのうち1人が、何かに見られているような気がしてならなくなった


1人が、耳鳴りが収まらなくなった


1人が、頭の中で何かが反響している感覚に陥った


1人が、仲間が突然襲ってくる妄想に取り憑かれた


1人が、背中を触られているような気がしてきた


全員が足を踏み込んだことに後悔し始めた


もちろん気のせい

恐怖心、後悔の念が強まり、自ら生み出した幻


でも5人はそこにいる何かに引き摺り込まれている

そう、信じ込み始めた


それでも、背後にいるかもしれない『 何か 』に背中を押されているかのように、

全員が振り返りもせず、前へと進み続けた


でも、丁度慰霊碑の前に着いたとき、1人の妄想が限界に達した


「無理だ、もう無理…頭が痛いんだ…」


そう、叫んで逃げだした


それをきっかけに、周りのストレスも爆発した


一斉に、最初に逃げた1人について走った

元来た道を、必死に

丑三つ時を迎えようとしている

暗い、森の路を…


もちろん


慰霊碑に向かって、供養の姿勢なんて、微塵も見せなかった


結果から言えば、無事に森を出た

車に乗り込み一安心

後はまっすぐ帰るだけ…


と、言いたいところだが

まだ心配事は残っている



霊が憑いてきた車は、速度が上がらない、エンストする

とかよく言うけど


最初に言った通り、5人と荷物がぎゅう詰め

霊が乗り込む隙間なんてない


はずなんだけどね?


それでも、怖気づいた運転手が敢えて速度をあげなかった


濃く、深くなった霧を理由に


ま、懸命だったかもね

もしアクセルを深く踏み込んで車が動かない、となるとその場でパニックを起こすから


街灯も無い道をトロトロ運転していると


暗闇に架かる、長い…長い…

橋の向こう…


コンビニが見えてきた


いつもそこにある24時間変わらない光!


安心するよね

真っ暗の中、コンビニがある

こんなにも頼もしく感じるなんて…


非日常からの生還…と言った所だろうか


5人とも喉がカラカラでね

そのに立ち寄る提案には全員が賛同し、

「ソルティなんとかでお清めだ!」

そんな冗談を言う余裕も出て来た


車を停めて降りた所で、丁度入れ違いで店から出て来た人がいた

こちらを見るなり、小さく悲鳴を上げてから早口に捲し立てて来た


「…君たち、大学生?もしやおふざけであの森に入ったんじゃないか?」


そう諫めながら、その視線はただ一点


車の屋根に向けられていた




翌朝車の持ち主が屋根を見ると




無数の血で付けられた人の手形があったそうだ

 
 
 

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